アディクション・家族のためのカウンセリングルーム

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遠藤嗜癖問題相談室25年の歩み

相談室は皆さまに支えられて2017年3月に25周年を迎えました

<相談室のあゆみ>~創立25周年に寄せて
社会状況から生まれるニーズに

1992年
様々なアディクション相談室創立 CIAP原宿相談室から独立した遠藤優子氏を中心にソーシャルワーカー5名で、医療機関を補完する活動・医療からはみ出す問題・家族自身を主人公とした相談を目指し、地域での活動を始める。
まだNPO法人も一般社団法人の制度もない時代、コメディカルスタッフによる独立型相談室の草分けだった。
その後認定資格として臨床心理士制度が、国家資格として精神保健福祉士法が成立し、有資格専門職スタッフのカウンセリングルームとして展開する。
1993年
仮面の家普通の家族に潜む関係性の病理について扱った横川和夫氏のルポルタージュ「仮面の家」が東京新聞等に連載され、相談場面に室長遠藤がカウンセラーとして登場。カウンセリングの場面をカウンセラー・利用者双方の立場から「見える化」してみせた。どのように家族が変容していく可能性があるか回復の姿を解き明かしたこの作品は日本新聞協会受賞作品となっている。この後家族関係に起きる暴力の問題に関する相談が増加し、カウンセリングルームやスタッフを拡大する。普通の家族に起きる緊張や暴力への家族介入・家族療法的アプローチを展開する。
1990年代
AC
虐待サバイバー
アダルトチルドレンブームが起きる。アダルトチルドレンとはもともと依存症の家族に育った人の生き難さについてのキーワードであり、依存症の治療や相談の経験からこの問題を見てきたスタッフは、医療では扱わないこうした生き難さこそ、相談室で受けとめていこうという姿勢で、今でもACフレームを使ったカウンセリングを行っている。また、ACというキーワードでは収まらない虐待サバイバーと複雑性PTSDへのアプローチも並行して展開するようになる。
2000年以降
暴力・虐待介入DV防止法・児童虐待防止法・高齢者虐待防止法が整っていく世相からのニーズを受け、行政のDV加害者プログラムや電話相談事業を受託し、実践するようになる。虐待予防を目的とした行政の子育て支援(相談や母親グループ)や夫婦問題が多く登場する女性相談を受託し、家族システム論・暴力介入等の視点の他、女性や母親の生き難さに寄り添うソーシャルワーク的実践を展開していく。
2004年
暴力・性犯罪防止プログラム迷惑防止条例改正(東京)。これに伴い、DV加害者プログラムと合わせ、性犯罪加害者のための更生教育プログラム・再犯予防の認知行動療法グループを開始。これまでも個別相談はしていたが、被害者のいる問題としてアディクションアプローチとは別建てでプログラムを行っている。
2005年
勤労者の生き難さ労働安全衛生法改正 企業におけるメンタルヘルスについて労働環境の責任を問われるようになり、企業介入でメンタルヘルスを提供するEAPシステムが登場。もともとEAPシステムは米国ではアルコール問題への介入から始まったもので、職員のアルコール問題やうつ疾患への介入のため、相談室でも中小企業や福祉施設などからEAPサービスを受諾するようになる。また、EAP会社の外部相談機関プロバイダーとして登録され、勤労者及びその家族のメンタルヘルスについて対応している。
2012年~
その後の不自由創立20周年を経て、長く存在する相談室の役割としてカウンセリングを卒業していった人たちの、「その後の不自由」を生きる上でのカウンセリングニーズにも応えていくようになった。5年、10年と時がたち、今度は親となって登場する利用者の方々がある。紡いできたファミリーストーリー・ファミリーヒストリーの中にあるストレングスに焦点を当て、カウンセリングをすすめている。
2013年~
ファミリーヒストリーの変容介護や障がい者・精神疾患のある家族の立場のコミュニティイベント・ケアフェス参加 「風通しの良い家族~家族の中でなぜ暴力が起きるのか」講演会主催(2013)。「~物語の先にあるもの~「ペコロスの母に会いに行くまでとその後~漫画家 岡野雄一さんを迎えて」講演会主催(2015)。家族やケアラーの方々のリカバリー・生きていく物語の変容を考えた相談をすすめる。
2014年
援助職への応援アルコール健康障害対策基本法が施行。依存症の問題を社会問題として対策を立て啓発活動し、リハビリテーションを進めていこうというこの法律の趣旨に賛同し、アディクション等援助職研修・一般講演活動に積極的にスタッフを派遣。また、相談室の実践を風景に援助職一般に向けた「援助職のためのアディクションアプローチ~依存する心の理解と生きづらさの支援」(中央法規)を室長山本が編著出版。医療・地域・学校・司法・産業などすべての領域の援助職がアディクション問題の視覚化・アウトリーチを行えるよう活動している。研修・スーパービジョン実践をすすめる。
2017年
動機づけリダクション支援ケアラー
家族のリカバリー
まずは減らしてみる減酒支援・止める気持ちを高めるための動機づけ支援・アディクションにともなう害や危険を少なくすることを考えるハームリダクション等の概念が広まり、やめられない行為について丁寧に寄り添うことの大切さが臨床場面で強調されるようになってきている。相談室ではこれまでも個人の状況に合わせて、動機づけ支援や積極的環境調整、リダクション(減少)支援をしてきたが、より個別化した状況のなかで問題をとらえ、カウンセリング・臨床ソーシャルワークを行っている。家族には家族心理教育プログラムによるコミュニケーションや関係性の変容を重視した相談に加え、家族自身のリカバリーを目指したカウンセリングを行っている。